Jien Shizuka
空海と共に生きる高野山真言宗の前官。
中国に空海ロードを開創、そして書聖に。
いま、空海の教えを高野山から世界に発信。
Artist Biography
昭和17年(1942)11月16日、徳島県の寺院で産まれる。小学校高学年で得度し、高校卒業後は高野山大学に進学。昭和40年(1965)3月、高野山大学密教学科を卒業。
その後、同大学院に進み、昭和46年(1971)に密教学科助手となり、さらに大阪大学大学院で学んだのち、昭和49年(1974)に高野山大学講師に就任。昭和54年(1979)に助教授となり、平成2年(1990)に教授に昇進する。
爾来、20数年に及ぶ長きにわたり、学問の研究と後進の育成に尽瘁。その間、学内において、文学部長、学長補佐、副学長の要職を歴任。高野山真言宗内においても歴代内局のもとで、金剛峯寺耆宿、宗会議員などを務める。山内の文化財を管理・展示する高野山霊宝館館長にも就いた。
業績は多方面にわたるが、研究面では特に漢文を基礎に置いた弘法大師の思想研究に力を注ぐ。その成果は、数々の著書に結実されている。
また、学問成果のダイナミックな展開として、密教を通じて中国との間に学術文化交流の道を切り開き、さらに人間空海の入唐求法の道を辿る「空海ロード」を中国に開創するといった功績も残す。平成20年(2008)に、碑文を書いた空海の顕彰碑「弘法大師空海越州碑縁起」が書聖・王羲之の墓塔のそばに建立されたのも、書家としての実績だけではなく、これまで日中交流に果たしてきた功績も評価されてのものであろう。また同年、高野山大学を退休し、名誉教授となる。
そして平成30年(2018)、高野山真言宗の第519世寺務検校執行法印に就任。法印は高野山真言宗の最高僧位で、任期中の1年間は山内から出ず、弘法大師の名代として重要な法会や儀式の導師を務めた。翌年、高野山第519世寺務検校執行法印成満・前官。
現在も書画に励み、研究を続けている。自坊の清凉院で南山書学院を開き、書道の通信指導も行う。
History
1958 | 医光寺道場において戒師・高野智純師に従って得度、僧名・慈圓 |
1965 | 高野山大学文学部密教学科卒業(『弁顕密二教論』の研究) |
1968 | 文学修士(『初会金剛頂経』における「楽」思想の研究) |
1971 | 高野山大学文学部助手 |
1972 | 高野山熊谷寺住職・寺本快猛従弟として高野山真言宗に転入 大阪大学大学院文学研究科中国哲学専攻研究生 |
1974 | 高野山大学講師 高野山清凉院へ入室。結婚。静慈圓に改姓 |
1978 | 高野山大学チベット仏教文化調査団レー調査隊隊長として西ヒマラヤ(ラダック地域)の学術調査を行う。種々のマンダラを発見 |
1979 | 高野山大学助教授 高野山尼僧修院道講師 |
1982 | 高野山 清凉院副住職 日本印度学仏教学会賞 高野山書道協会理事(現在に至る) |
1984 | 「空海長安への道」訪中団団長として訪中。中国福建省霞浦赤岸(空海の漂着地)より西安青龍寺までの2400キロを踏破 |
1985 | 書道研究璞社常任理事(現在に至る) |
1989 | 静慈圓書・画展(於徳島市郷土文化会館) 空海研究会設立、顧問。第一回空海学術討論会開催(於中国・現在に至る) 学修灌頂入壇、伝燈大阿闍梨職位を受く |
1990 | 高野山真言宗国際交流センター理事(~平成12年10月) 高野山大学教授(~平成21年3月・定年退職) |
1992 | 定本弘法大師全集編纂委員 |
1994 | 日本密教学会理事(~平成11年3月) |
1995 | 空海研究会名誉顧問(於中国・現在に至る) |
1996 | 高野山 清凉院住職(現在に至る) 密教学術奨励賞 |
1998 | 高野山真言宗学階選考会委員(現在に至る) 静慈圓書・画展(大阪梅田、毎日新聞ビル・オーバルホール) |
1999 | 金剛峯寺耆宿・宗会議員 高野山世界遺産登録委員会参与 |
2001 | 弘法大師渡唐一二〇〇年記念報恩訪中企画委員 |
2002 | 学校法人清教学園教育研究所バーチャルカレッジ講師 博士(仏教学、於大正大学)『空海の素養と密教思想』 |
2004 | 高野山大学副学長(~平成19年3月) 空海与中日文化交流国際学術検討会開催(於上海復旦大学) |
2005 | 財団法人高野山勧学財団評議員(~平成29年4月) |
2008 | 高野山学園評議員 高野山開創一二〇〇年記念大法会実行委員会委員 |
2009 | 中国四川省洪雅県 藤椒文化博物館文化経済顧問(現在に至る) 高野山大学定年退職 |
2010 | 高野山大学名誉教授 中国河北省 震旦仏教芸術研究員密教美術顧問(現在に至る) 中国浙江省 静慈圓書画展(於浙江西湖美術館) 高野山霊宝館館長(~平成29年7月) |
2011 | 後七日御修法供僧・定額位 中国四川省 少数民族・羌族名誉村民(現在に至る) 中国四川省 静慈圓書画展(於峨眉山報国寺) |
2012 | 中国西安 西北大学仏教研究所顧問(現在に至る) |
2014 | 中国杭州 西泠印社名誉社員(現在に至る) |
2017 | 静慈圓書画展(於高野山ギャラリー) |
2018 | 高野山第519世寺務検校執行法印 |
2019 | 高野山第519世寺務検校執行法印成満・前官 |
2021 | 書道通信指導 南山書学院を開く |